高性能電池に対する需要の急増は、生産のあらゆる段階における大規模な投資を促しています。電池研究および製造に関連するラボでは、原材料の生産から使用済み電池のリサイクルに至るまで、プロセスの各段階で材料分析ソリューションが求められます。これらの分析要件を満たすためには、幅広い装置、ソフトウエア、および関連技術が必要となります。
原文(英語・2023年公開):Lithium-Ion Battery Production: The Analytical Techniques Used

研究における分析技術
この段階では、次世代電池材料の開発や既存のリチウム電池技術の改良が行われます。
主なプロセス
- 新規正極活物質の研究
- 電解液、正極、負極材料の劣化生成物の研究
- 電池材料リサイクルの新規手法の探索および既存技術の改良
- 次世代電池(例:全固体電池、ナトリウム電池)の開発
分析ニーズ
- 材料組成および純度の特性評価
- 故障解析
主な分析技術
- ICP発光分光分析(ICP-OES)
- ICP質量分析(ICP-MS)
- 高分解能ICP質量分析(HR-ICP-MS)
- イオンクロマトグラフィー(IC)/イオンクロマトグラフィー質量分析(IC-MS)
- 液体クロマトグラフィー(HPLC)/液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)
- ガスクロマトグラフィー(GC)/ガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)
- グロー放電質量分析(GD-MS)
- 有機元素分析(OEA)
原材料採掘、加工、精製における分析技術
この工程では、リチウム、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄塩、黒鉛、シリコンなどの原材料の採掘、加工、精製が行われます。
主なプロセス
- 採掘物の処理
- 精製製品の純度分析
- 品質保証および品質管理
分析ニーズ
- バルク工程管理および品質管理(QC)
- リチウムおよび不純物元素の鉱石・鉱物・ブライン分析
- 材料品質の確認
主な分析技術
セル部材および組み立てにおける分析技術
この段階では、新規化学系、負極、正極、電解液、セパレーターの開発やオンライン検査が行われます。また、材料の混合、塗工、乾燥、カレンダー処理、ジェリーロールの積層、パウチ型・角型・円筒型へのパッケージングも含まれます。
主なプロセス
- 電池セルおよびセルアレイの製造
- 電解液組成の確認
分析ニーズ
- 設計品質の確保
- プロセス管理
- インライン検査
- 故障解析および材料選別
- 組成測定
- 元素不純物の検出および定量
- 劣化分析
- 研究および日常におけるQA/QC測定
主な分析技術
- ICP発光分光分析(ICP-OES)
- ICP質量分析(ICP-MS)
- ガスクロマトグラフィー(GC)/ガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)
- イオンクロマトグラフィー(IC)/イオンクロマトグラフィー質量分析(IC-MS)
電池試験における分析技術
この段階では、完成した電池セルが仕様を満たしているかどうかを確認したうえで、電池パックへ組み込まれます。
主なプロセス
- 故障解析および不良品選別
- 電池のエージング試験、環境試験、電気特性試験
分析ニーズ
- 劣化生成物の分析
- 正極材料化合物
- 電解液
- セパレーター劣化生成物
主な分析技術
- ICP発光分光分析(ICP-OES)
- ICP質量分析(ICP-MS)
- 液体クロマトグラフィー(HPLC)/液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)
- ガスクロマトグラフィー(GC)/ガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)
- オンクロマトグラフィー(IC)/イオンクロマトグラフィー質量分析(IC-MS)
電池リサイクルにおける分析技術
この段階では、完成した電池セルが仕様を満たしているかどうかを確認したうえで、電池パックへ組み込まれます。
主なプロセス
- 故障解析および不良品選別
- 電池のエージング試験、環境試験、電気特性試験
分析ニーズ
- 劣化生成物の分析
- 正極材料化合物
- 電解液
- セパレーター劣化生成物
主な分析技術
- ICP発光分光分析(ICP-OES)
- ICP質量分析(ICP-MS)
- 液体クロマトグラフィー(HPLC)/液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)
- ガスクロマトグラフィー(GC)/ガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)
- イオンクロマトグラフィー(IC)/イオンクロマトグラフィー質量分析(IC-MS)
なぜこれらの分析技術が必要なのか
イオンクロマトグラフィー(IC)
イオンクロマトグラフィーは、電解液中のアニオン組成および純度を確認できるほか、リチウムイオン電池における劣化メカニズムの解明に貢献します。これにより、製造工程における製品品質の確保が可能となります。
ガスクロマトグラフィー(GC)
GC-MS システムは、高感度検出および正確な質量フラグメント解析や分子イオン同定により、より低い検出限界と豊富な情報を提供します。電解液のエージング過程で生成される化合物を同定・定量することで、リチウムイオン電池の劣化に関する新たな知見を得ることができます。
質量分析(MS)
リチウムイオン電池部材を研究する際、質量分析(MS)による検出は、ICやHPLCの能力を大幅に拡張します。より高感度な定量、ピーク確認、クロマトグラフィーピーク純度評価が可能となり、複雑試料の分離能が向上します。また、MSデータをICおよびHPLCワークフローに統合できます。
元素分析(ICP-OES、ICP-MS、GD-MS)
リチウムイオン電池が製造される以前の段階から、ラボではリチウムリッチブラインやリチウム鉱石の組成および純度を評価するために元素分析が用いられています。精製後の材料も使用前に組成および純度の確認が必要です。不純物の存在は電池の性能および寿命を著しく低下させるためです。
液体クロマトグラフィー(HPLC)
電解液組成の設計から電池リサイクル分野のブレークスルー探索に至るまで、液体クロマトグラフィーはプロセスの最適化を実現します。さらに質量分析と組み合わせることで、分子構造に基づく確かなデータで技術開発を支援します。
まとめ
これらのソリューションの詳細なアプリケーションにご関心のある方は、資料ダウンロードフォームよりアプリケーションノート集をダウンロードください。 また、ご不明な点やご質問などございましたら、当社のお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。



